バイナンス(Binance)のセルフリファラルがバレたらどうなる?アカウント凍結と資産没収のリスク
手数料を浮かせようとセルフリファラルを考えていませんか?複数アカウントが発覚すると、予告なしの口座凍結や資産差し押さえもあり得ます。セルフリファラルのリスクと、まっとうな代替案をまとめました。
手数料のキャッシュバックを調べていると、必ずぶつかる言葉があります。セルフリファラルです。
仕組みは単純です。自分のアカウントで紹介リンクを発行し、そのリンクからもう一つアカウントを作って、そちらで取引する。すると自分が払った手数料の一部が最初のアカウントに入ってきます。払った手数料の一部が自分に戻ってくる構造なので、ネット上では手数料を浮かせる裏ワザとして紹介されたり、「やらないと損」くらいの勢いで語られたりもします。
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セルフリファラルは具体的に何の違反になるのか
最初に引っかかるのは紹介プログラムの規約ではなく、アカウントポリシーです。バイナンスは「1人1アカウント」が原則です。本人確認書類と顔認証を行うKYCの仕組み上、一つの本人確認情報は一つのアカウントにしか紐づきません。これは取引所が勝手に決めた社内ルールではなく、マネーロンダリング対策の規制から来る要件なので、例外を認める余地がありません。
つまりセルフリファラルをやるには、まずアカウントをもう一つ用意しなければなりません。ここで選択肢は二つしかない。自分名義でもう一つ作るか、他人の名義を借りるか。前者は複数アカウント保有そのものが違反ですし、後者は借名取引。他人名義で金融口座を動かすとなれば、問題の次元がまるごと変わります。
そこへ紹介プログラムの規約がもう一枚重なります。バイナンスのアフィリエイト規約には、セルフリファラルが発覚した場合は紹介関係そのものを取り消し、それまでに支払ったボーナスや手数料リベートを回収すると明記されています。もともと新規ユーザーを連れてきてもらうための報酬です。取引所からすれば、自分で自分を連れてきた分まで払う理由はありません。
バレないと思っているところからバレる
セルフリファラルをやる人がたいてい気を配るのは名義です。名義さえ別なら分からないだろう、と。ところが取引所が見ているのは名義だけではありません。
まずログイン環境の痕跡が残ります。 同じブラウザでログアウトして別アカウントに入っても、クッキーやキャッシュ、保存された認証情報がセッションをつないでしまいます。IPも同じです。同じ家の同じ端末で二つのアカウントを回していれば、別人として扱うほうがむしろ難しい。取引所はパスワードを変えただけでも出金制限をかけますし、いつもと違う地域からログインすれば不審なアクセスとして本人確認を求めてきます。同一人物だと気づかれないと思いますか?
資金の流れはもっと露骨です。 AのアカウントからBのアカウントへコインが動けば、それだけで両者が結びつきます。取引パターンも見られています。二つのアカウントが同じペアを近い時間に同じ方向で売買していれば、パターン分析に引っかかります。キャッシュバックを増やそうと出来高を無理に作れば、今度は自己売買(ウォッシュトレード)の疑いまでかかる。これは別枠で禁止されている行為です。違反が一つや二つでは済まなくなります。
確率で考えてはいけない理由
このあたりで必ず出てくる反応があります。バレる確率はどのくらいなのか、と。1%や2%ならやってみる価値があるんじゃないか、と。でも確率というのは、バレるまでの話でしかありません。
自分がバレた瞬間、それは100%です。他人から見れば1%のままかもしれませんが、自分のアカウントにとっては100%。1%を引いて口座を凍結された人に「でも確率は低かったですよね」と言ったところで、慰めになりますか。
では引っかかるのが本当に一握りなのかというと、それも違います。摘発件数は年々増えています。当然です。世界最大の取引所がこの程度のパターンを見抜けないと考えるほうが不自然でしょう。数年前に通用した手口が今も通用する保証はどこにもありませんし、検知の精度は上がる一方です。今バレていないことは、これからもバレないという意味ではありません。さかのぼって摘発されるケースもあります。
バレた後、資産は取り戻せるのか
実はここがいちばん重要です。凍結されたとき、資産は戻ってくるのか。妙な話ですよね。手数料を少し浮かせたかっただけなのに、自分の資産が返ってくるかどうかを心配する羽目になる。
ここで自分が釈明する側に回る場面を想像してみてください。アカウントに入っている資金のうち、どこまでが普通に取引して稼いだ分で、どこからがポリシーを破って受け取った手数料分なのか、線を引いて説明しなければなりません。数か月から数年分の取引履歴を並べ、それを切り分けて証明するわけです。そもそもきれいに分けられる類の資料でもありません。仮に整理できたとして、取引所がそれを受け入れてくれるでしょうか。
法的手段に出るのも、思っているほど単純ではありません。規約違反を認めた状態で、凍結された資産をどんな根拠で返せと言うのか、具体的に思い描いてみる必要があります。訴訟を起こしたところで、かかる時間と費用が回収の見込みを上回ります。違反が自分の側にある以上、その争いは出発点から不利です。
キャッシュバック代行サイトも安全圏ではない
自分でやるのは怖いし、複数アカウントを回すのも面倒。そこでキャッシュバック代行サービスを探す人もいます。ここにも押さえておきたい点があります。
「自分でサブ垢を作るのは違反(セルフリファラル)だが、代行サイトを経由するなら合法(キャッシュバック)」と誤解している方が多いのですが、バイナンスは両方とも紹介プログラムの悪用とみなし、厳しく取り締まっています。
そもそもバイナンスは、個人がパートナー権限を悪用して第三者(サードパーティ)のウェブサイトを立ち上げ、手数料を勝手に分けて返す行為を明確な不正行為(Abuse)と規定しています。(出典:バイナンス公式ポリシー告知 および 利用規約)
つまり、私設サイトを立ててキャッシュバックを売りにする抜け道的な商売は、その業者の代理店アカウントが摘発されて停止された瞬間、その下で登録したユーザーのアカウントまでリスクアカウント(Flagged)として巻き込まれ、資産凍結や手数料の未払いといった被害を受けかねません。
では手数料はどう下げるのか
そもそもセルフリファラルが狙っているのは手数料の節約ですが、正攻法で取れる幅は思っているより大きいです。
まずは登録時の紹介コード入力です。公式の登録ボーナスリンクや紹介コードから登録すると、取引手数料の割引がアカウントに適用されます。これはアカウントを作る時点で決まる部分で、後から付け足せないケースも多いので、まだ口座がない方はここから押さえておくのが正解です。紹介コードは比較したうえで入力してください。
さらに手数料をBNBで支払う設定にすると、現物25%、先物10%の割引が上乗せされます。紹介割引とは別枠なので重ねて効きます。この二つを入れるだけでも、基本料率からかなり下がります。
そして紹介コードは、使う前に比べておくのがおすすめです。コードごとにキャッシュバック率を変えられるので、同じバイナンスでもどの紹介コードで入るかによって戻ってくる金額が変わります。セルフリファラルでリスクを背負わなくても、条件のいいコードを選べば大部分は片づきます。
まとめ
セルフリファラルは、手数料を数パーセント多く取るためにアカウント全体を賭ける取引です。期待値で見れば、そもそも成立しない構造です。うまくいけば手数料が少し浮く。外れれば口座の資金がまるごと凍結される。
しかも、いつ摘発されるかは自分で選べません。たいていは出金を申請したとき、つまりお金が必要になって引き出そうとした瞬間に止まります。そこで解除してくれと頼んでも、取り合ってくれる窓口はありません。
正規の割引をきちんと積み上げるだけでも、削れるところは十分に削れます。わざわざ元本を賭ける理由はありません。正直に言えば、バレる確率は低いです。それは認めます。でも、アカウントを賭けるほどの価値がありますか?